いつもお仕事帰りにお二人揃ってお稽古にいらして下さっています。
着物のたたみ方から始まり今は重ね衿を入れての訪問着もお召しになれるようになって。
お若い方の柔軟な頭にはスポンジのように次々と知識&技術が吸収されていくんですね。
わたくしは風通しのよい頭なので右から左に抜けてまいります・・・。
今日はお二人がそれぞれお相手に着せつける初めての体験。
比翼がついた黒留袖に袖を通すとズッシリと重いのですがそれを実際に感じて頂きたくて教室にある黒留袖をお貸し致しました。
お二人とも同じ着物で。
どなた様もそれぞれ体型が異なりますね。
洋服と違いサイズの融通がある程度利きますのでその辺りの工夫するところをご説明して着せつけ開始。

上背のあるYさんは腰紐の位置を少し低めにしておはしょり分を確保しなければなりません。
モデルとなっている方に腰紐の強さの加減を伺いながら。
着付ける側は恐る恐るになってしまい紐をしっかり締めるのに躊躇なさってしまいがち。
モデル側のご意見はもっとしっかり締めて欲しいと。
黒留は比翼仕立てですので重量感がありしっかり締めませんと帯に取りかかる頃にはずるずるっとなりかねません。
この辺はボディは何も云ってくれないのでよい経験になったと思います。

モデルをチェンジして着付け開始。
Cさんはお背に関しては平均的。ただボン、キュッ、ボンなので(羨ましい・・・)衿元から崩れていかないよう補整を的確なところへ当てて頂く必要がありますね。そこのところはまた今度。

裾線が上がらないように基本プラスαをお伝えして腰紐を。締め加減を同様に試行錯誤。
重ね衿で練習しているので、比翼衿の手順などは手がスムーズに動いていました。

お二人ともお互いをモデルにしたのは初めてなのに裾線も綺麗に決りご本人から衿元の角度によって表情が変わること、背中のシワがあると背紋が美しくないなど、色々と気付かれたご様子。
またご自分の苦手なところや癖などを把握していらっしゃり、課題を見つけられているのはかなり上達している証拠ですね。
お相手に着付けるという事は自装とは反対の動きとなる為上前、下前、衿合わせ、腰紐の位置、一つ一つ 「あら?どっち?」と一瞬考えながら手を動かす事になりますね。
今は頭で考えての動きですが練習を重ねると自然に体が動くようになります。
英会話も最初は頭で日本語を英語に変換して・・・なんてしてしまいがちですが、慣れてくると自然に英語が口から発していますでしょ。あれと同じです。???・・・・アララ?
この文章だとまるでわたくしペラペラのような?
嘘です。全く話せません。例え話を間違えました(>_<)
では、仕切り直して。
サイズの合わない着物の工夫と不都合着物は冒頭で記しましたようにある程度のサイズの融通が利きますが、それでも裄の長さだけは誤魔化しが利きません。
(前回も記述しておりますね)
他が綺麗に着つけられても裄が短いだけで小さいお着物をお召しなんだな~と思われてしまいます。
リサイクルなどでお似合いのお着物に出会っても裄がね~という場合はその価値がある、とお思いの着物に関しては筋けしをして裄を出して(縫いこまれている生地があれば)頂いたほうがお着物も映えると思います。
お持ちの長襦袢の裄の方が長いなんていうこともあるかと思いますのでお気を付け下さいませ。
急場を凌ぐ時は長襦袢の袖山より少し後ろを肘より少し上辺りで着物ピンチでつまんでお出掛け下さいませね。
でもね、やはり袖付け、振りからはサイズが違うと長襦袢のお袖がチラリ、あるいはバッチリ見えてしまう事も。
こちらはご本人よりも後ろにいらっしゃる方からよ~く見えるところです。
「人の振り見て我が振り直せ」ともうしますでしょ。
折角綺麗に着つけられても、それだけで台無しです。
長襦袢とお着物は一対とお考え頂く位に裄の部分は大切だと思います。
大分話が逸れましたね。
日頃お洋服姿はとても可愛らしいのですが黒留めをお召しになってお二人ともしっとりと品よく落ち着いた女性に変身(?)。
なかなか着替えたくないご様子でした。
お一人は初々しい奥様ですので近い将来黒留袖をお召しになるかもしれませんね。
機会を見つけて今度は二重太鼓までお稽古してみましょう。
最後までお付き合いくださりありがとうございます
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