昨日の続き・・・
今回は全員和楽庵集合。
お着物デビュー初めの一歩
お出掛け前にお着物初心者の初々しい方々に少々お伝えすることが。
お着付の時にお着物の褄を上にあげて裾をすっきり見せるように致しますよね。
そのまま歩き出しますと裾捌きが悪く足が前に出ずヨチヨ歩きとなっておかしな事になるんです。
そのような光景をたまにお見受けいたします。
そこで長襦袢とお着物の裾を何気ない所作で足さばきが楽になる方法をお伝えしてから出発致しました。

ヨチヨチ歩き・・・して・・・・おりませんよね・^^・。
信号待ちの時などにも何気なく?しておくと初めの一歩が楽に出るんですよ。
手織教室はたおと様へ見学に
お腹いっぱいになってしまいこの後の機織りの教室の
はたおと様に伺って眠くなったらどうしましょう~と少々不安でしたが柳橋という歩いて5分ほどのところにあるお教室に着いた時にはそのような懸念は全くなくなりました。
お教室に足を踏み入れた途端熟練の生徒の皆さまが思い思いのご自分の作品作りに没頭なさっていらしてそのお姿に圧倒されてしまったんです。
それでも皆さまとてもお優しくわたくし共が厚かましくも質問をすれば手を止めて丁寧にご説明下さいました。
生徒さんの作品の数々
コブナ草や菩提樹で糸を染めて・・・製作中の紬の着物を

八寸名古屋帯を織られて

ボートのような形のものがシャトル(杼)中央のボビン(小菅)に巻かれている糸が緯糸。

糸は染めるにあたり濡れている時と乾いた時では色の濃さが違うためその按配を丹治先生が見て下さると望んだ色以上に良い色に染まるのだそうです♪。さすがですね!
織物が出来るまでの長い道程
『上下に開いた“たて糸”の間に、シャトル「杼(ひ)」という道具を使って“よこ糸”を通し、その「杼(ひ)」と、「筬(おさ)」という2つの道具を使って“よこ糸”を手前に打ち込み、“たて糸”と“よこ糸”を交互に織り込んでいく。』
タン、タ、タンというリズミカルな音が響きます。
一反の布にするには、この打ち込みを3万回以上繰り返さなければならないのだそうです。細い糸でしたらもっとですよね!。
絣模様なんて事でしたら打ち込みに1ミリの誤差も許されないというのですから、もう気が遠くなります。
これらの事をわたくしのお教室にお越しいただいているSさんのご主人様もこちらで大先生のお父様の元ご指導に付いていらっしゃるので更に詳しくご説明下さいました。
このご主人様がお背も高くて俳優の原田龍二によく似ていらっしゃること(^^)。
奥様のSさんもお背も高くお教室の皆様が認める超美人さんですので大変お似合いのカップルです。
話がそれました(=^・^=)。
筬通し
お着物の産地でそれぞれの機織りも見学し体験などもさせて頂きましたが、今回わたくしが一番興味を引かれたのが
経糸を必要な巾と密度に整えるために、筬(おさ)という櫛のような道具に経糸を通す工程があり、これを筬通しと呼ぶのだそうですがその流れ。

機織りに経糸緯糸をまだ打ち込む前のこの細かな作業にいくら目を凝らして拝見していてもさらにご説明頂いてもどこがどうなっているのやら・・・???。
ですので「筬通し」引用させて頂きます。
『筬(おさ)という用具は金属製の櫛状になっていて上下を固定して糸が通る細い隙間になっています。この隙間を筬羽(おさは)と言い、経糸をこの筬羽に通す作業が筬通しです。この筬羽に何本の経糸を通すかで織物の経糸密度が決まります。』
確かにそのようなご説明を頂いたような・・・??
織る前に千数百本の経糸を整えなければいけないわけですよね・・・(;´∀`)。
ちなみに羽二重という胴裏に使うのでお馴染みの織物がございますが 織機の筬の一羽に経糸を2本通すことから羽二重と云うのだそうです。
な~るほどね~。
こうして遡れば糸の製糸や撚糸そして染色そして機織りと様々な工程を経てきてわたくしたちが目にする着尺になる訳です。
わたくしは針孔に糸を通すのもままならないほど不器用ですのでたとえ話にもなりませんが仮にわたくしがこの工程で着尺を製作致しましたらお値段なんて付けられませんよね~。
付けてもくれないでしょうが・・・(;´∀`)。
丹治先生の作品とプロフィール
この後に埼玉の毛呂山の工房からお持ちくださいました丹治先生の作品を拝見いたしました。
どれもこれも畳紙から出されるお着物を見ては皆様「はぁ~!!!す て き 💛♪」
自然の中に身を投じるといろいろなインスピレーションが湧いてくるとか・・・印象的でしたのが霜柱をみて作られたというお着物。
凛とした静寂な佇まいを感じさせるお着物でした。
そういう時って見るのに夢中で全て撮るのを忘れちゃうんですよね~。
こちらは別の草木染・・・何で染められたのでしたっけ?
優しいお色目ですよね~。
生徒さんが撮っていて下さいました。というかほとんど提供して頂きましたが。

皆さま熱心にご覧になって・・・
丹治先生は建築設計・インテリア デザイン設計(リゾートホテルなども手掛けていらっしゃいます)詳しくはプロフィールご覧下さいませ。
更には設計事務所を続けながら桐生織伝統工芸士の岩下順一氏の教室で染色を学び
何故か全く異なる世界の燻製工房も設立して(市場で一度に70キロほど買い込むのだそうです)器用なんですね。
器用と云えば流鏑馬の切り絵の個展も開催されていらっしゃるとか。
そして「岩下順一先生の逝去に伴い手織教室はたおとを引継ぎ現在に至る」のだそうです。
先生の生き様全てが無駄なく先生の作品に息づいているんですね。
本物に見て触れて感性を磨く
皆さまの前で仰っていらしたこと。良いものに見て触れていないと感性が鈍ってしまう。
どんどん美術館で絵や彫刻に触れ目を肥やすように・・・と。
(はいそのように致します。ご一緒できる方お付き合い下さいませね)
先生はお城めぐりも大変お好きでそこかしこに作品を製作するヒントがおありになると・・・。
美味しい処ばかりに目が行くわたくしって・・・。
悲しい現実
街行く人の着物を見てもそれ程心動かされるような着物を着ている人に巡り合う事が無くなったとも。
着物は高級品であること、今では非日常着となってしまたことなどから呉服関連の方々がもっと身近に皆さまに手の届く商品をと手頃な価格とそれに見合う程度のお品の着物を生産者の方に作らせてしまうことも多くなって・・・また作らざら得なくなって・・・。
勿論全て機械化が悪いわけではございませんが古来より人間の手作業で一つ一つ仕上げてきた伝統的な技術は消費者が少なくなれば消えていかざるを得ません。勿体ない事でございます。
全てのものが重要無形文化財として守られる訳ではありませんものね。
良いお品の着物は何代に亘り大切に受け継がれる
着物の形になるまでの長い工程とそれにかかわる方々の時間と技術を考えればお値段もお高くなるのも頷けます。
本物はやはりそれだけのお値打ちがあるのですよね。
昔の方はそんなお着物を大切に扱い何代にも亘って受け継がれてきたのです。
おばあ様、おかあさま、お嬢様というようにそれぞれの思い出と共に・・・。
皆さまも其々の思いを胸にはたおと様を後に致しました。
はたおと様の皆様には貴重なお時間にもかかわらず機織りまでの工程を見学させて頂きそのうえ丁寧なご説明までして頂きましたこと感謝申し上げます。
製作中の方の中にはお着物の着付けを極められた方も何名かいらして着物に多く接しているうちにご自分好みの織物が欲しいとの思いがきっかけで製作することに・・・との事でしたよ。
究極の着物人ですよね~。
わたくしのお教室の方も緻密な作業を苦としない器用な方がいらっしゃいますのでそう遠くない時にこちらでシャトルを片手に打ち込んでいるお姿が見られるかもしれません!(^^)!
今回のお出掛け会はこちらで解散となりました。
お母様と近くを散策なさりながらお帰りになられたKさんや久し振りのお喋りにTさんたちはティーラウンジに向かいお忙しいYさんは急いでご自宅に、他の皆様は再度和楽庵に戻りました。
この続きはまた・・・。
◇
きものがたり◇
出張着付け・お問い合わせ◇
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