先日お振袖姿のお嬢様が駅のホームにいらっしゃいました。そこだけパッと華やぐお振袖には目が行ってしまいます。
その傍には道行コートをお召になったお母様がいらしてわたくしも駅のホームでその方の斜め後ろにおりましたので・・・と申しますかそのような配置についたと申しますか・・・(;´∀`)・・自然と会話が聞こえて参りました。
その中の会話で「おかしいわね~どうしても帯が下がってきちゃうわね。」「そうだよ、お母さんもっと練習してくれればいいのに」
「あなたがきついというからでしょ」などと話しながらお母様の手はずーっとお嬢様の帯結びのお羽根のところを触りなんとか背中につけようとしていらっしゃいました。
お母様がお嬢様にお着付けをなさっていらっしゃる情景が浮かんで・・・なんて微笑ましい事でしょう。
でも接着剤をつける訳ではないのでいくらそのようなことを繰り返してもお羽根が崩れるだけでどうにもなりません。
そうこうするうちに電車が着きました。
乗り込んだ後でもお母様・・・気になるらしく・・・「おかしいわね~」を繰り返し、何故かわたくしレーザー誘導のごとく先ほどから距離が離れないでおります。
う~ん、お手を差し伸べるべきか目をつぶるべきか、格闘・・・。
どうしたと思います?
やはりお節介おばさんになってしまいました。
バックからポケットティッシュを取り出しまして半分に折って、手に待機・・・そこそこの厚みになります。
「あの~・・・」
勇気を出してのお声掛け・・・
車内でもありますし、恥をかかせても失礼に当たりますし・・・小心者のわたくしは心の中でまだ葛藤しておりましたが、振り返ったお嬢様が余りにもお可愛らしいのに背中を押され・・・
「宜しければ少し帯を固定いたしましょうか?・・・」
お二人は一瞬ぎょっとなさっております。
(あ~だから云わなければ良かった(;´Д`))
と後悔し始めていた時にお母様が「お願いいたします、先生に教えて頂いたのですがなかなか思うようにいかなくて・・・」と。
何の先生かは伺いませんでしたがとりあえずお直しの許可を頂きました。
電車が揺れる中なるべく人様の目に触れないところは何処かしら・・・・
結局ドアに背を向けてお立ち頂きわたくしはさらにドア側からお背中に回りまして持っていたティッシュを後ろ帯上線に入れ込み台座を作って帯枕の位置を高くいたしました。
枕ガーゼも緩そうでしたがまさかそこまでは出来ませんので、わたくしはここまで。
でもお二人は、特にご覧になっていらしたと思われるお母様は「あら~!」と、とても喜んでくださいました。
多少人の目が気になりましたが今の時代無関心、スマホポチポチなので今回に限れば助かって・・・
あれだけで喜んで頂けてわたくしもその日は嬉しくて元気を頂きました。
お教室には来年成人式をお迎えするお嬢様の為にお振袖のお稽古にお見えのお母様がいらっしゃいます。
お忙しくてなかなかお稽古できないのですが帯が下がらないようしっかりお伝えすることを改めて思った車内での出来事でした。
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きものがたり◇
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